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アナログ回路はなぜ難しい?

アナログ回路は難しい」とか「難易度が高い」とよく言われます。このページでは、まずアナログ回路が難しい理由について述べ、次にアナログ回路を理解するためには何が必要かについて述べます。

1. アナログ回路が難しい理由

このページをご覧の皆さんは、アナログ回路についてどれくらいの知識、経験をお持ちでしょうか?これからアナログ回路の設計に携わるという方もいるでしょうし、すでに仕事でアナログ回路を扱っている方や電子回路工作をされている方もいるでしょう。

電化製品

デジタル家電と言っても、アナログ回路もかなり含まれています。機能の充実、小型化が進むに連れてアナログ回路に要求される技術も、より高度になってきています。

人それぞれだとは思いますが、多少なりともアナログ回路に触れたことがある人なら、その難しさに気付くのではないでしょうか。

例えば、「なぜこのような回路動作をするのか・・・」とか「どのように考えて回路を設計すればよいのか分からない」とか思ってしまいます。

また、仕事で業務中によく話に出てはくるが、内容はと言うと何のことやらよく分からないという方もいるでしょう。

それではなぜ、アナログ回路は難しいのでしょうか?わたしは長年、電子回路の設計に携わっていますが、アナログ回路の難易度を高くし理解を難しくしている原因は、以下の2つのことがなかなか身に付かないためだと考えています。

  1. いくつかの基礎知識を知っておく必要がある。
  2. 回路動作を直感的・感覚的に理解する必要がある。

以上の2つのことが、アナログ回路を理解するためには必要不可欠なのです。必要な基礎知識を身に付け、回路動作を直感的・感覚的に理解できるようになれば、アナログ回路の理解や設計もそれほど難しいものではなくなるでしょう。それではまず、アナログ回路の理解に必要な基礎知識から説明していきたいと思います。


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【特徴】
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  • 本に出てくるシミュレーション用の回路は、Webからダウンロードできる。
  • 図が多く用いられており理解しやすい。ほぼ全てのページで、本を開いて左のページに説明、右のページに図という構成で、内容も分かりやすい。
【内容】
  • オームの法則やキルヒホッフの法則、インピーダンスの考え方など、アナログ回路の理解に必要な基礎知識について説明している。
  • 電子部品(抵抗、コンデンサ、コイル、トランジスタ、オペアンプなど)の説明と、これら部品の選び方について書いてある。
  • 回路シミュレーションを交えて色々な回路の動作について説明している(増幅回路、演算回路、発振回路、フィルタ、電源回路などの基本的なアナログ回路)。
  • 変調回路、受信機など少し高度な回路についても、シミュレーションを用いて分かりやすく説明している。

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2. アナログ回路の理解に必要な基礎知識

アナログ回路」と一言でいっても、その用途によって様々なアプリケーション(応用回路)が存在します。フィルタ、A-D/D-A変換、PLL、スイッチングレギュレータ・・・など例を挙げると様々ですが、それぞれに設計ノウハウや数学的にしっかりとした理論が存在します。

これらの応用回路を理解し設計するためには各々に学ぶべきノウハウがありますが、基礎の部分はどの応用回路でも共通です。つまり、どんな応用回路でも共通の基礎知識の上に成り立っているということです。逆の言い方をするならば基礎知識を身に付けずして、いきなり応用回路を理解することは非常に困難です。

このホームページをご覧になられている方の中にも仕事などである応用回路を理解することが必要となったときに、いきなりその応用回路について書かれた本などで勉強したが理解できなかったという方もいると思います。

それでは、アナログ回路の理解の必要な”基礎知識”とはどのようなものなのでしょうか?それは、以下に挙げる3つの分野(理論・工学)です。

アナログ電子回路に必要な基礎知識

1. 電気回路回路理論
2. 制御工学制御理論
3. アナログ電子回路

「~理論」や「~工学」と書かれると、拒絶反応を示される方もいるかも知れませんね。しかし当サイトでは、これらの理論・工学を各章に分けてわかりやすく説明していますので、参考にしてください。

何でもそうですが、上達のためには基礎をしっかりと身に着けることが必要です。しかし私の知る限り、アナログ回路を習得するにあたり「基礎として何を身に着ける必要があるのか?」について説明された本などがあまりないように思います。以上に述べた理論・工学は、アナログ回路を理解する上で欠かすことのできない基礎知識です。簡単にですが、以下に大まかな概要を記します。

電気回路回路理論)」は、回路の交流解析インピーダンスといった概念を学ぶことができます。
制御工学制御理論)」は、ステップ波形などの入力に対する応答解析(過渡解析)や交流信号の周波数軸上での解析(周波数解析)を学ぶことができます。
アナログ電子回路」は、いろいろな本を見るとそれぞれに少し内容は異なりますが、トランジスタの原理やオペアンプといった回路の特徴などアナログ回路の設計や理解に必要な基礎知識や回路技術について書かれています。

これらの具体的な内容は、次節「1-2. アナログ回路の設計に必要な基礎知識」で述べます。次になぜ回路動作を直感的・感覚的に理解する必要があるのかについてお話しします。

3. 直感的・感覚的に理解することも必要

アナログ回路は他の分野に比べて知っていなければならない知識の範囲が広いせいか、理論的な理解をいくら深めたとしてもすぐに活かすことが出来るというものではありません。

分かりやすい例を挙げると、皆さんも「練習はしっかりしたが実戦で活かせなかった・・・」、「勉強はしっかりしたがテストで活かせなかった・・・」といった経験をしたことがあるでしょう。アナログ回路も同じです。本当の意味で身に付いていなければ、実践で活かすことは出来ないといえるでしょう。

直感的・感覚的な理解が必要

実践で活かすために、理論的な計算やそれにより導き出された数式のみを覚えるのではなく、回路動作を直感的感覚的に理解することが必要となります。

具体的には、回路図を見て頭の中で大まかに回路動作(電圧や電流の振る舞い)を想像できたり、回路の特性を向上させるためには何をすればよいかが分かるようになるといったこと必要です。

つまり、「右脳で理解する」とでも言うことでしょうか。電圧、電流の振る舞いや信号の位相や振幅がどうなるかといったことを頭の中で想像できるようにならなくてはなりません。

当サイトでは電気回路(回路理論)、制御工学(制御理論)、アナログ電子回路といったアナログ回路の理解に必要な基礎知識(第2章~第4章で説明)やアナログ回路には欠かすことの出来ない回路であるオペアンプ(第5章で説明)について直感的感覚的な理解できるように説明しています。

そのため、細かい理屈を抜きにして分かりやすく書くことを目的としています。私は、何かを学ぶときに始めに細かい理屈から覚えるのではなく、まずは大まかにどのような内容なのかを理解した方が近道だと考えています。その後で理屈を覚えた方が理解しやすいと思います。アナログ回路を勉強される方、当サイトをぜひ参考にしてみてください。

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